2010年12月03日

外国人歯科医の制限撤廃

法務省が、外国人歯科医の制限撤廃し、在留資格を改正しました。

 * * * * * * * * * * * * * * * * * *

外国人歯科医の制限撤廃 法務省、在留資格を改正


 法務省は30日、在留に関する省令を改正、日本の歯科医、看護師、助産師・保健師の国家資格を持つ外国人の就労年数や活動地域の制限を撤廃した。

 法務省は、少子高齢化が進む中で医療関係の人材を確保するには、専門技術を持つ外国人を幅広く受け入れる必要があると判断。永住資格を持たない外国人の看護師や保健師が国内の医療機関で働き続けられるほか、歯科医は都市部での開業や民間診療所勤務といった道も開かれた。

 これまでの省令では、「医療」の資格で働く外国人の就労年数は、歯科医が免許取得後6年、看護師が7年、助産師・保健師が4年と規定。さらに歯科医には(1)大学病院などでの研修による就労(2)法相が定めたへき地に限り制限年数を超えた就労が可能―という制限もあった。

 制限撤廃は3月に政府が策定した「第4次出入国管理基本計画」で検討項目になっていた。同じ「医療」の在留資格の医師は2006年に6年の制限を撤廃した。

 医師を含む「医療」資格の外国人登録者は00年は95人で、02年には114人、09年は220人と微増傾向にある。

2010/11/30 08:34 【共同通信】

 * * * * * * * * * * * * * * * * * *

インドネシアなどと看護師さんのEPA協定が結ばれて1年以上経ちます。
資格開放という意味では、また一つ門戸が開かれたことになります。

ただ、今回の処置で、急速に外国人医療関係者が増えるという事態は、まずありえません。
少なくとも、短期間では。

何故かと言うと、我が国には健康保険制度があるからです。健康保険制度の上で診療するためには、保健所に申請を出して、様々な手続きをしなければなりません。当然、日本語がわからないといけません。

それも日常会話が出来るというレベルではなく、専門用語を使いこなすというレベルでです。そうでなければ、健康保険制度に則って、治療ができません。普通に考えて、ハードルが高いと思います。

現に、インドネシアからのEPA協定も、日本の資格を取ろうとして、日本語の習得が大きな壁になっています。

では、何故今回の処置がとられたかというと、海外の免許だけでは、日本国内の治療をすると法律に触れてしまうからです。医療行為というものは、人様の身体を切ったり張ったりするわけです。資格がないと治療できないのは、当然です。

外国の資格があればいいかというと、色々と問題があります。国によって医師の定義が違うわけです。当然、知識や経験も違います。我々から見ると、怪しげな呪いにしかみえないウィッチ・ドクターが権威を持っている国だって、未だにあるのです。

だから、外国の医師が日本国内で治療をすると、下手をすると詐欺事件や障害事件になりかねないのです。その混乱を防ぐために、何年間かの研修を義務付け、日本語と日本の法律や常識の取得を義務つけたわけです。

ですが現行の制度のままでは、極端な話、海外から難病の手術のために招聘された医師が、法律の壁に拒まれて手術ができないという事態になりかねません。

そこまで行かなくても、海外から日本に留学してきた人が、病院で研修を受けられないという事態になりかねません。こうなると、人的交流という意味で、大きな損失です。

我が国は、先進国です。当然、海外から学びに来る人は、大勢居ます。医学もその例外ではありません。そして、医学は現場で学べることは、数え切れないほどあります。
そういう意味では、今回の制度改正は、現場レベルの要求に対応したという側面があると思います。

ですが、この記事をそのとおりに解釈すると、ある日、近所にウィッチ・ドクターが開業するという事態が起こり得るかもしれません。そこまで行かなくても、インド人なり中国人の診療所が出来るという事態は、想定できると思います。しかし、少なくとも現時点では、ほぼ不可能でしょう。

上記したように問題もありますが、この他にも我が国では、外国人が労働をするためには、就労ビザが必要だからです。

就労ビザを取得するのは大変です。まず、身元のしっかりした雇い主が要ります。

難病の手術のために、外国人の凄腕の外科医を雇う。こういうケースなら、身元のしっかりした雇い主は、ありえるでしょう。しかし、日本の医師免許、歯科医師免許を持たない、海外のドクターが、日本で開業するために就労ビザを取得する?日本に住む外国人を対象にするのなら兎も角、それ以外のケースだと、物凄くハードルが高そうです。

そうなると、我が国と同じような医療や法律のシステムを採用した国の人の方が、ハードルを越えやすいという答がでます。つまり、先進国の医師です。しかし、日本は、先進国で最も医者の給料が低い国として有名です。


……なんで、わざわざ給料の低い国に来るんです(^^;。


では、発展途上国はとなると、上記の就労ビザの問題が出てきます。
EPAなどのからみと考えると、研修などで短期的に医療現場で働くためには、就労ビザがおりると思います。しかし、日本国内で長期的に働くためには、就労ビザをとるためには日本の資格が必要という条件が、出てくると思います。というより、出ないとおかしいでしょう。

ここまで考えると、今回の規制緩和は、医学の研修のための留学生、EPAなどで日本に来た看護士が、日本での資格を取るために便宜を図ったという解釈が成り立ちます。

そして、一度、日本での資格を取り、就労ビザがおりると、日本国内で大手を振って働けるようになります。日本で医療関係者の給料が安いとはいえ、それは先進国基準です。
発展途上国から見れば、高給取りです。

苦労して日本語を学び、苦労して日本の資格を取り、苦労して日本での職を手に入れる。
余程の愛国心や理由が無い限り、ある程度の期間は日本で働こうという答が出ます。
あるいは、一生住んでもおかしくありません。

おそらく時間をかけて、就労ビザの緩和、国内の免許の取得の簡易化などという処置が、順次取られていくのでせう。

その未来図はどうなるかというと、人手不足の医療現場で、発展途上国出身の医師や看護士が大勢働くという図式が浮かんできます。

実は、これはアメリカなどで、フィリピン出身の看護士が大量に働いているという構図と同じになります。欧州だと、アフリカやトルコ出身になります。
日本の、国策として移民を受け入れるという方針とも合致します。

それが、10年後、20年後に、国が描いている姿なのでしょう。

もっとも、これは発展途上国に対する一種の援助という見方も存在します。発展途上国に対して。最先端の技術を学ぶ機会を与えるのは、先進国の義務である。こういう主張は、キリスト教的な教義も絡んで、日本以外の先進国では、それなりに説得力があるのです。以前、フランスの大統領が来日した際、この主張を演説したことがあります。


……日本のマスメディアは、綺麗にスルーしましたが(^^;。


ただ、そのような政策を取って数十年後、移民問題で欧州やアメリカがどのように揉めているのか考えると、色々と頭が痛い構図が浮かんできます。

では、この問題に異を唱えるのであれば、医療現場の人手不足をどう補うか代案を出さねばいけません。そんな代案はあまりありません。考えれば、考えるほど、いろんな意味でデットエンドが見えています。

官僚レベルでは、そのあたりのことを考えている人は、大勢いると思います。しかし、政治家レベル、それも民主党政権になると、おそらく数えるほどしか居ないと思います。


……居ると信じたい(ToT)。


そして、現政権は、官僚を敵とみなしています。菅内閣に代わって、ある程度軌道修正が見られますが、そう簡単に行くとは思えません。というより、今回の件は民主党が政治指導で、嫌がる厚生労働省を力づくで抑えて、法務相が押し切ったのではないかと、邪推したくなります。

色々と頭が痛いですが、明日ですらわからないのに、何十年も先のことを考えても、きりがありません。現在の選択が、国民の幸福になることを願うことにしませう。
それが、先の衆議院選挙で、我々国民が選択した結果なのです。
甘んじて受けるしか、方法はありません。


……次の選挙で、Noというチャンスはありますが(^o^)。


こばやし歯科医院バナー



posted by Jinguzi at 22:40| Comment(0) | TrackBack(0) | NEWS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/171701770

この記事へのトラックバック

こばやし歯科医院バナー

人気ブログランキングバナー04

ご協力お願いしますm(_ _)m。