2010年12月08日

フッ素の陰謀論を主張する大前研一氏


大前研一氏が、水道水にフッ素を入れないのは、歯医者の経営を助けるためだと主張しています。

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大前氏 日本の水道事業を民営化すれば水道代は半分になる

NEWS ポストセブン 12月6日(月)10時5分配信
 世界の資源獲得戦争は、石油や天然ガス、あるいは今話題のレアアースやレアメタルにとどまらない。我々の生活により身近な「水」をめぐって、熾烈な争奪戦と、新たなビジネス競争が繰り広げられている。日本の「水」をめぐる実態を大前研一氏が解説する。
 

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 いま水道料金は、最も高い自治体と最も安い自治体では何倍も違う。水の美味さも違う。だが、安くて美味しいからといって、他の自治体から水を買うわけにはいかない。水利権の問題があり、水道管もつながっていないからだ。

 しかし、そういう「悪しき慣行」は、もう終わりにしなければならない。日本は水道水の料金とクオリティを全国で揃える方向に行くべきであり、そのためには水道事業を集約して広域化するしかないのである。

 さらに言えば、日本の水道水は「塩素」にこだわりすぎているという問題がある。日本は法律上、水道水には塩素を入れて消毒・滅菌しなければならない。だが、オランダなどでは塩素ではなくフッ素を加えているし、アメリカではフッ素と塩素を両方使っている。

 フッ素の利点は虫歯の予防ができることである。だからオランダ人やアメリカ人は虫歯が非常に少ない。ところが、日本では水道水にフッ素を加えようとすると、歯科医師の経営にマイナスの影響が出るといった理由からか、実現できていない。

 要するに、日本の「水」は上から下まで利権だらけなのである。民主党が「国民の生活が第一」と言うなら、こうした「水利権」や「塩素」にまつわる利権にもメスを入れるべきだろう。

 その具体的な方策は、水道事業の官民連携促進だ。もはや市町村が水道事業を抱えている必要はない。同じ公共インフラの電気は民営化しているのだから、行政の肥大化を避けるためにも、水も官民連携、場合によっては民営化して、水メジャーをはじめとする世界最強の会社に下水道や農業用水、工業用水も含めて運営を任せればよいのである。もし、その会社が汚い水や高い水を出したら、自治体の権限で別の会社に変えればよいだけのことである。

 民営化のメリットは、行政の肥大化を避けることだけではない。

 水道事業を売却すれば、市町村にどんとお金が入ってくる。それで市町村の財政は大いに助かるし、おそらく水道料金も半分以下になるだろう。周辺の市町村を5つぐらい一体化して事業を運営すれば、近代化の遅れている下水道なども一気にレベルが高くなると思う。

※SAPIO2010年12月15日号

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大前 研一氏の水道の民営化に関しては、私は意見を持ちません。
ですが、文中にある水道水のフッ素添加に関して、些か触れたいと思います。

フッ素を水道水に加えることに関して、いくつものデマが流れています。
陰謀論といった方がいいかもしれません。その際たるものが、この主張です。

>フッ素の利点は虫歯の予防ができることである。だからオランダ人やアメリカ人は
>虫歯が非常に少ない。ところが、日本では水道水にフッ素を加えようとすると、
>歯科医師の経営にマイナスの影響が出るといった理由からか、実現できていない。

実は、これは事実を明確に無視しております。

フッ素を水道水に加えるという議論は、数十年前から存在します。ですが、我が国では昭和46年におきた「宝塚斑状歯訴訟」によって、この議論が公にされることがなくなりました。

虫歯は、虫歯菌が砂糖を食べて、乳酸を出して歯を溶かす病気です。
フッ素は、エナメル質を強化し、酸に対する耐性を強くします。
歯が溶け難くなるわけですから、虫歯が予防できるというわけです。

ところが、どんなものにもメリットとデメリットがあります。フッ素もその例外ではありません。成長期に多量のフッ素を摂取すると、歯の色や形がおかしくなる斑状歯という状態になる可能性が高まります。斑状歯というくらいですから、白黒混じったまだら模様の歯になります。

はっきりいいまして、所謂『白い歯』と、ほど遠い状態になります。

これが水道水のフッ素濃度が原因で、斑状歯が多発し、訴訟にまで発展したのが1971年に起こった「宝塚斑状歯訴訟」です。

宝塚市の水源がフッ素を多量に含むことを知りながら、これを放置し、特定の地区の斑状歯が多発したとして、水道事業者である宝塚市の責任を問う訴訟が起こりました。

この訴訟が起こった時期が、我が国で公害が社会問題と化していた時期と重なります。
このため、斑状歯の問題が必要以上に注目され、その結果、水道水へのフッ素の添加自体がタブーに近い扱いになりました。このことが逆に、定期的にこのような陰謀論を生む背景になっています。

余談ですが、この宝塚市の問題を最初に指摘した歯科医師が、宝塚市から迫害され県外の転居を余儀なくされました。また、この問題以前に、水道水へのフッ素の添加を最も主張していたのは、歯科医師側でした。

この訴訟以降、我が国ではフッ素による虫歯予防は、歯磨き剤への添加、歯科医院での塗布へ主軸を移していきます。

また、フッ素は斑状歯以外にも、問題があるという主張があります。
たとえば、フッ素とダウン症の関連性などを指摘する意見もあります。

どんなものにもメリットとデメリットがあります。
水道水に塩素を添加する場合も、メリットとデメリットがあります。

水道水の消毒に、フッ素を入れるべきか塩素を入れるべきかは、現在も専門家でも意見が分かれている状態です。国によってフッ素か塩素かに分かれているのは、その現状を反映しているだけのことです。そういった現実を一切無視して、歯科医の経営云々を語るのは、問題があると思います。

大前 研一氏の本業は、経営コンサルタント、経済評論家だそうです。
ただ、私の記憶が確かなら、大前 研一氏は、リーマンショック以前に、アイルランド経済を絶賛し日本も見習えと盛んに唱えていたと思います。サブプライムローンを推奨していたのは、私の記憶違いでしょうか?

リーマンショック後、アイルランド経済がどのようになったかは、皆様ご存知のとおりです。サブプライムローンについては、言うまでもありません。

ご自分の本業で、このような成果を挙げているのに、中途半端な知識で他所の分野の事をどうこう言うのは、私にはあまり好ましいとは思えません。

大前 研一氏には、是非とも本業で、衆目をうならせる仕事をしていただきたいと思います。


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posted by Jinguzi at 13:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 歯科 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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