2011年02月03日

休日診療当番が終わる。


先日、歯科医師会の会合がありました。
その際の議題が、休日診療当番でした。

休日診療当番は、休みの日に交代で診療をすることです。
専門用語でいうところの、一次救急を担っているわけです。
具体的には、中野区では日曜日と祝日に、歯科医師会に属する2軒の歯医者さんが、診療をすることになっています。

医者という職業には、休日はありません。ですが、医者も人間です。休まないと死んでしまいます。統計によりますと、開業医の平均寿命は、他の職業に比べて短い傾向があります。

かといって、身体が悪くなるのに休日は関係ありません。
そして、大概の救急病院には、歯科はありません。
あったとしても、24時間歯科医がいるはずがありません。

ですが、休日に診療するのは、中々難しいです。患者さんがどの位くるか読めないからです。診療所を開けるのは、ただではありません。光熱費が掛かりますし、人件費もそうです。かかった経費分以上に売り上げがあればいいですが、そうでないと赤字になります。
救急医療は、どこの病院も赤字です。それでも、医者の使命から多くの病院が赤字を承知で、救急病棟を維持しています。

このあたりの矛盾を解消するために、医師会や歯科医師会や薬剤師会が、役所と協力して、休みの日に交代で診療をするようになっているのです。

具体的には、役所が補助を出しているのです。
金額的は、1日患者が来なくても赤字にはならないけど、儲けたとは言えない額です。

お金持ちである医者や歯医者に、補助が出るとお怒りの方が、結構いらっしゃいます。
ですが、医者に限らず、高度の資格を持った専門家を1日拘束すると、大概10万円ぐらいかかります。スタッフや機材も含めたら、1日診療所を借り切るのなら、最低でも20万円ぐらい対価を払わねばならないでしょう。無論、処置内容によって金額が跳ね上がります。

名医と呼ばれる先生に出張して手術をしてもらったら、数百万単位のお金を請求されても、不思議ではありません。

ブラックジャックが、患者さんに吹っかける金額は、それなりに根拠があるのです。

話はそこまで大きくなりませんが、休みの日にわざわざ診療して、患者が一人も来なかったのでは大赤字です。医療としては正しくても、医業としては、間違っています。

そこを医業として成り立たせるために、区から補助金が出るわけです。
つまり、医師会、歯科医師会、薬剤師会と、区役所が共同で、休日診療当番と言う制度を作っているわけです。

ところがです。来年度の予算で、休日診療当番のうち、日曜日分の予算を削減するという話が出ているそうです。

聞こえてくる理由としては、幾つかあります。

@日曜日にも診療している診療所が増えたこと。
A区の予算そのものが削減されたこと。

@については、些か複雑です。日曜日に診療している先生の多くは、医師会や歯科医師会に入っていないのです。歯科医師会に入っていない先生が、日曜日にやっているのだから、日曜日の歯科医師会の休日診療当番を辞める。色んな意味で、本末転倒です。

公共の福祉から考えると、頭が痛いです。そうなると日曜日の休日診療当番は、担当の先生のボランティアでやれという事になります。ですが、今までお金が出ていたものが出なくなると、そう簡単にはいきません。そうなると、必然的に日曜日の休日診療当番は、廃止という話が出てきます。ですが、歯科医師会は地域の福祉に貢献するということをモットーにしております。ましてや、その穴埋めを歯科医師会に入っていない先生を当てにすると言うのでは、存在意義を問われてしまいます。

そういう次第で、色々と揉めております。

そして、そもそもの根本の『A区の予算そのものが削減されたこと。』何ですが、聞こえてくる話が頭が痛いです。税収不足の上に、仕分けだの子供手当てだので、本来廻ってくるはずのお金が足りなくなり、本来なら削ってはいけないはずのところの予算を削りまくっているらしいです。

聞いた噂では、北国では除雪関係の予算が削られて、大雪の今年は大変な被害が出ているとか。何でも除雪の仕組みを理解しないまま、思いつきで無駄と認定され、削られた予算が、関係者に廃業を決意させたなんて話が、聞こえてきます。

北の国の話なら、気の毒にと思っておりましたが、こちらにも火の粉がかかってきました。

今までの日本のお役所は、手が届き難いところに、それなりに手が届くような仕組みになっていました。そして、その運営には様々な知識が必要でした。それは、年を経る毎に複雑になり、関係者以外には理解できない代物と化しておりました。

実情をしらないと、利権だ抵抗勢力だと言われても、仕方がない側面があります。
ですが、稼動して機能している組織を、伝説の英雄よろしく蛮勇を奮いまくって、切りまくったら大変なことになります。

そして我が国は、自分のことを伝説の勇者だと思っている方が、色々と刀を振り回している状況です。


……下放されなかっただけ、まだましなんでせうねぇ(^^;。


聞こえてくる噂では、他にも福祉関係の予算が、色々と圧迫されているらしいです。
なにやら与党が掲げていたマニフェストと、180度違う事態に陥っている気がしてなりません。

常識で考えると、日曜日の休日診療当番の予算が0になるのは、乱暴すぎます。希望的観測ですが、減額か何かで調整がつくと思います。ですが、来年度はそれで済んだとしても、その次はどうなるかは、わかりません。

そして、似たような話は、他の業界からも漏れ伝わってきています。

こういう話を聞いたことがあります。
飛んでいる飛行機から、ボルトが1本落ちました。
ボルトが1本落ちたぐらいでは、墜落しません。
ですが、放置して置くと、1本、また1本とボルトが落ちていきます。
そして、ある本数のボルトが落ちると、ついには飛行機は、空中分解し、墜落する。

私が聞いている話は、落ちていく何本目のボルトなのでせう?
そして、空中分解するまでに、あと何本ボルトが残っているのでせう?

何処かで、何とか止まることを、願わずにはいられません。


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posted by Jinguzi at 19:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 歯科 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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