2011年02月12日

味覚障害の恐怖


年配の知人が、入院しました。
元々高血圧だったのですが、血管に問題があることがわかり、検査入院です。

その検査でわかったのですが、味覚障害の疑いが出てきました。
簡単に言うと、味覚がおかしくなって、味が強くないとわからなくなっています。
年配の方に多く見られる症状です。

知人は、一人暮らしだったため、味覚障害が気づかなかったようです。

もっとも同居していた場合、別な問題が出てきた可能性があります。

『あら、嫁子さん。このお味噌汁、うちの味じゃないわ』
『お義母様、そんなことはありませんわ』
『そうだよ、母さん。美味しいじゃないか』
『天国のお父さん、息子とぐるになって、嫁が苛めるんです』
『お義母様、酷い』


……嫁いびりの話になりかねません(^^;。

というより、嫁いびりのネタにされている『うちの味じゃない』という発言の背景には、味覚障害の可能性あります。

ちなみに、知人は嫁いびりの類とは一切縁がないことを、断っておきます。

お年寄りは、濃い味が好きな傾向があります。

これには、背景が二つあります。

@日本食は、本来もっと塩っぱかった。
A味覚を感知する機能が落ちている。

@の理由は簡単です。冷蔵庫が普及する以前は、保存食は塩漬けがメインだったからです。
保存に使われる醤油や味噌には、多量の塩が含まれています。砂糖や蜂蜜は、高価なため保存食に用いらても、全体に占める割合は低かったのです。

特定の栄養の取りすぎは、身体のためによくありません。
塩分は、その筆頭です。実際、冷蔵庫が普及する以前は、脳出血と血管障害、胃癌が、日本人の死因の上位を占めていました。

日本食は、素材の味を生かすことに重きを置いても、食材が台所に届かねば意味がありません。冷蔵庫が普及し、流通網が整備され、産地からの食品が新鮮なまま家庭の台所まで届くようになったのは、高度成長期以降です。

缶詰、瓶詰め、レトルト、インスタントetc.etc.の各種保存材料も発達、普及したのも、この前後です。減塩の味噌や醤油が生まれたのは、もっと後のことです。

保存食に塩分が過剰だった上、調味料を用いるのです。上記したように、味噌や醤油にも塩分が含まれています。必然的に、味が濃くなっていきます。味の好みと言うものは、幼少期に何を食べたかによって、大きく左右されます。よって、年配の方は、高度成長期以降に生まれた方に比べて、濃い味を好みとする傾向が強くなります。


Aの理由は、一言で言うと老化です。
年を取ると誰しも身体機能が低下していきます。
目が見え難くなる。耳が遠くなる。これと同じように舌にある味蕾つまり、舌にある味を感知するセンサーの機能の低下してくるのは、当然です。

耳が遠いお年寄りには、大きな声で話さなければいけません。これと同じように、味覚機能が低下している方は、濃い味でないと味がわからなくなるのです。

味覚障害に陥った患者さんを診ていますと、多くの場合、味覚障害になる前に、摂食機能が低下しています。具体的には、入歯があっていなかったり、虫歯が一杯あったり、歯周病が酷かったり、唾液の出が悪い口腔乾燥症になっていたりします。

人は、モノを食べるときに唾液が出ます。食べ物を噛んでいるうちに、唾液と程よく混ざり、飲み込むようになります。逆を言うと、よく噛まないと唾液の出が悪くなります。

唾液には、口の中を洗うという作用もあります。当然舌も洗います。
舌にある味蕾は、敏感なセンサーです。当然、手入れをしっかりしなければなりません。
つまり、唾液の出が悪いと、舌が上手く洗われず、味覚機能が低下する原因になるのです。

ところが唾液は、モノをよく噛まないと出てきません。
ですが、合わない入歯を使っていたり、虫歯が一杯あったり、歯周病が酷かったりすると、ろくにモノが噛めません(^^;。

つまり、お口のお手入れが悪いと、味覚機能が低下していき、味覚障害に陥る可能性があります。そして、味覚障害になると、塩分摂取が過剰になり、高血圧、心臓血液疾患、脳出血、胃潰瘍、胃癌などの原因になる確率が高くなります。

言い換えると、お口の手入れが悪いと、早死にする可能性が高くなるのです。

この他にも上記のように、嫁姑問題を発生させる可能性があります(^^;。

それ以前に、噛めない入歯や虫歯が一杯あったり、歯周病が酷いと、ご飯が美味しくありません。私に言わせて貰うと、お口の手入れが悪い方は、食事の度に損をしていると思います。何より、ご飯をチャンと食べれないのは、勿体無いです。

ですが、そういう方に限って、チャンと噛めていると主張するのです。
つまり、本当に噛めるという状態を知らないのです。
大変気の毒な話です。

お医者様に高血圧を指摘された場合、その原因の一つが、噛めない入歯だったりします。
心当たりがある方は、一度歯医者へ行ってみてください。
今までの損を取り戻せるかもしれません。


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posted by Jinguzi at 13:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 歯科 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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