2016年02月17日

核ミサイルの不思議


ニュースでH2ロケットの打ち上げを見ました。
あんな大きなロケットが日常的に打ち上げられるようになったのは、色々と感慨深いです。

打ち上げの光景を見て、子供の頃の疑問を思い出しました。
私が子供の頃、理解できなかったことがあります。
それは、冷戦の頃、何であんなに核ミサイルが作られらのだろうということでした。

米ソ合わせて万単位の数の核ミサイルを作っていました。街を更地にするどころが、地上を文明以前まで破壊し、氷河期を起こせるレベルの核ミサイルを作っていました。威力の方も恐ろしく、山が吹き飛ぶレベルの水爆を作っています。

普通に戦争に勝つレベルでよければ、広島、長崎レベルの原爆を軍事基地に落とせば十分です。全ての軍事基地レベルになると、数百発の単位になりますが、戦争相手を絶滅レベルにまで虐殺する必要はないはずです。

どうしてあそこまで強力な核ミサイルをこれ程多数が必要なのかと不思議でした。
そう思って調べてみましたら、色々と物凄く頭が痛くなる事実がわかってきました。


あんなに数が必要だった理由の一つは、ミサイルの命中率の悪さでした。
ミサイルの中で、遠距離を隔てて狙う弾道ミサイルは、とっても命中率が悪いのです。
弾道ミサイルが当たる率は、半数必中界(CEP)という概念で論じられます。

弾道ミサイルを2発目標めがけて発射して、どの位の範囲にどちらか1発が落ちるかを示します。問題は、その単位がキロで測る単位なのです。

なんでそんな命中率が悪いものをつかうと思うかもしれませんが、実は従来の兵器に比べると、物凄く命中率がいいのです。ミサイル以前の遠距離攻撃兵器であった大砲は、命中率がとっても悪かったのです。

日露戦争の名将、東郷元帥は、『百発百中の砲一門は、百発一中の砲百門に勝る』という発言をしております。つまり、目標にほとんど当たらなかったんです。ミサイルは、それに比べると遥かによく当たります。

何せ、大砲の弾は、撃った後は修正が効きません。これに対してミサイルは目標に向かって誘導することができます。命中率が違うのは当然です。

弾道ミサイルは、最低でも数十キロ単位で飛びます。相手国を狙う場合は、数千キロから1万キロを超えて飛んでいきます。そういう意味では、キロ単位の誤差で届くのは凄い話です。となると、下手な鉄砲も数撃てば当たるとばかりに、数を増やすことが重要になります。

ですが、命中する範囲がキロ単位になると、目標を撃破できるか厳しくなります。
例えば、アメリカの防空を司る北アメリカ航空宇宙防衛司令部(NORAAD)の司令部のあるシャイアン・マウンテン空軍基地は、コラルド州の岩山の中にあります。

岩山の中にあるのですから、壊すのは大変です。
地下にある基地を吹き飛ばすのは、貫通力を高めた専用の爆弾が必要です。ですが、  ピンポイントで当てないと効果がありません。

ところが、弾道ミサイルは、何千キロも飛んでいくので、命中率がとても悪いのです。
岩山の頂上を狙って撃って、麓に当たれば御の字です。ピンポイントで当てるのは不可能です。となると、効果を発揮するためには、ミサイルの威力をあげればいいという結論に達します。

岩山を吹き飛ばすのですから、火山の噴火並の威力が必要です。
えぇ、そのレベルの水爆が作られるわけです(^^;。

NORADは極端な例ですが、軍事基地は当然頑固に作られています。だから、ミサイルがちゃんと当たらないと、壊滅できません。それなので、数キロ離れて当たっても壊滅できるだけの威力が必要になるわけです。

となると、基地などの軍事目標の数倍の数があれば十分という答が出ます。
ですが、実際にはその何倍もの数のミサイルが作られました。

その理由の一つが、ミサイルの信頼性の低さです。
それはミサイルの燃料と絡んでいます。

現在のミサイルの燃料は大雑把に固体燃料と液体燃料に分けられます。
固体燃料は基本的に花火と変わりません。一度火をつけると、燃料を燃やして目標まで飛んでいくわけです。シンプルなのですが、細かいコントロールが難しいです。

これに対して、液体燃料は燃焼量をコントロールできます。その代わり、管理が大変です。
燃料はとっても危険な物質で、発火性どころが爆発性の塊です。腐食性も強いです。それなので、ミサイルに液体燃料を入れたまま保管するという真似が困難です。その危険な燃料を年単位で保存しているわけです。ミサイルの発射ボタンを押して、本当に飛ぶのかどうかわかりません。つまり、ミサイルという兵器は、とっても信頼性が低いという答が出るのです。

では、どうするかというと、数を増やせばいいわけです。

命中率が悪いので、何発当たるかわからないので、数が必要である。
命中率が悪く、それでも目標を吹き飛ばすには威力が必要である。
信頼性が低く、何発撃てるかわからないから数が必要である。

そして、これに相手の攻撃で、自分達のミサイルがつぶされる事も考えるわけです。
弾道ミサイルは発射されると分単位で大陸をまたいて命中します。先制攻撃されると、壊滅する可能性が高いです。そうなると、相手のミサイルが当たっても反撃できるだけの数をそろえないといけなくなる訳です。

かくして、米ソが競って、地球を氷河期にするほどの核ミサイルが作られたという答がでてくる訳です(^^;。

ミサイルも、核弾頭もとっても高価です。だから、大量に作ると財政を圧迫します。
結局、それが核軍縮をする理由となり、ソ連を崩壊させる一因となりました。

ちなみに、上記の理由から命中率と信頼性が向上すれば、数を減らしても大丈夫という答が出ます。

アメリカやロシアが軍事開発をしないわけが無いので、核軍縮をしても、米露が持っている総合的な弾道ミサイルの攻撃能力は、多分変わっていないのでしょう。

我々の生きている現実が、如何に狂気に満ちているか、嘆かわしくなります。

とりあえず、米露が冷戦を止めてくれてよかったと思いました。


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posted by Jinguzi at 18:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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